アンティークシルバーを語るには欠かせないのが【ホールマーク】です!
(ホールマークとは銀食器に打刻されている【小さな刻印】のこと。)
世界の銀食器シルバー文化を代表するイギリスやフランスでは13世紀の時代から銀の品質管理制度としての【ホールマーク】が発展してきました。
(イギリス、フランスの奥深い【ホールマーク】の世界はこちらの記事をご覧ください↓)
しかしながら、銀食器文化はイギリス、フランスだけでなく多くの国で発展し、それぞれの国でアンティークシルバーは根強い人気がございます。
それぞれの国の【ホールマーク】を知ることで、世界のアンティークシルバーの歴史を読み解く楽しみがまた広がります。
そしてアンティークシルバーの正しい価値を判断する手がかりにもなります。
デンマークの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

代表的ブランド:GEORG JENSENジョージジェンセン Hans Hansen ハンスハンセン

デンマークの銀器はGEORGJENSENジョージジェンセンが非常に有名ですが、
コペンハーゲンではデンマークで唯一アッセイオフィスがあり 「三つの塔」のホールマークが1893年から国で定められたマークとして押されるようになります。
銀品位82.6%以上が「三つの塔」マークの保証するものでしたが、銀品位92.5%スターリングシルバーを証す「925S」「STERLING DENMARK」の文字が刻印されるものも多く見られます。
アメリカの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

代表的ブランド:TIFFANY&CO ティファニー GORHAM ゴーハム Reed&Barton リード&バートン TOWLEトール ONEIDA オネイダ
アメリカの銀食器も歴史があり、非常に多くのブランドがあります。
アメリカのスターリングシルバー(銀品位92.5% 925/1000) の物は分かりやすく「STERLING」の刻印があるものがほとんどです。
いろいろなモチーフの刻印よりも一番銀品位を判断しやすいのがアメリカ銀食器かもしれません。
ドイツの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

代表的ブランド:CHRISTOPH WIDMANN クリストフ ウィドマン WMF ヴェーエムエフ Robbe&Berking ロベ&バーキン
ドイツのホールマークは1886年に制定され、銀には「三日月と王冠」その横に銀品位を表す3桁の数字が刻印されることが多いです。
銀品位は800/1000がドイツのスタンダードですが、830/835/900/925(スターリングシルバー)と銀品位には数種類見受けられます。
(90など二桁の数字の物はシルバープレートとなります)

イタリアの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

代表的ブランド:Sambonet サンボネ
イタリアの銀品位のスタンダードも800/1000が多く、単純に「800」の数字の刻印だけのものも多いです。
1934年に銀のホールマークの基準が制度化され、1968年には星のマークが刻印されるようになります。
近年では銀品位800/1000とスターリングシルバー925/1000がイタリアの主流となっております。
ノルウェイの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

代表的ブランド:DAVID ANDERSEN デヴィッド アンデルセン
ノルウェーの銀品位は1892年に 830/1000に制定され、「830S」のホールマークが義務づけられます。
1920年以降にはスターリングシルバーの925/1000が主流になっております。
デンマークと同様にスターリングシルバーの製品には「STERLING NORWAY」の刻印がよくみられます。

スウェーデンの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

スウェーデンでは銀品位830/1000もしくは スターリングシルバー925/1000が一般的に使用されます。
銀品位800/1000以上で「六角形の枠にS」の刻印がおされるようになりました。
1901年からは「3つの王冠」のホールマークが使用されています。
アルファベットと数字の組み合わせのデートレターは1759年~という古くから刻印されています。
ロシアの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

ロシアの銀食器も非常に歴史があり、1700年に初代ロシア皇帝 ピョートル大帝により銀のホールマーク制度が定められました。
2桁の数字が刻印される物が多く、1798年以降は 「84」= 84 Zolotniki 銀品位875/1000 以上しか使われなくなりました。
84 Zolotniki 銀品位 87/1000は19世紀から20世紀でロシアのもっとも一般的な銀品位となります。
ハンガリーの銀食器シルバーのホールマーク(刻印)

ハンガリーの銀品位のホールマークは 顔の肖像とともに3桁で刻印されるものが多いです。
銀品位には 800/835/900/925 と ヨーロッパで使われてた一般的な数種類の銀品位がハンガリーにも使用されています。
まだまだ沢山ある世界のホールマーク

いかがでしたでしょうか。
実は今回ご紹介した「ホールマーク」も世界うちのほんの一部にすぎません。
世界の銀食器 アンティークシルバーの歴史を語る【ホールマーク】は調べれば調べるほど、その世界は奥深く、
これもアンティークシルバーをたしなむ醍醐味と言えるのではないでしょうか。
100年以上の歴史を持つ銀食器は 存在するだけでその空間を上質なものに変えます。
ぜひあなたもアンティークシルバーの奥深い世界にはまってみませんか?
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